ぽては、もともと
めがねを かけていませんでした。

こぎつねのぽて
きょうもいいてんき
せかいは いつも
はっきり していて、
こまることは なかったのです。
でも、ある日。
たくさんの ことばや、
たくさんの きたいが、
いちどに やってきました。
だれかの こえ。
じぶんの こえ。
ほんとうか どうか、
わからない こえ。
ぽては、
すこしだけ
みえなく なりました。
それは、めがねが ひつような ほど
くらく なった わけでも、
よわく なった わけでも ありません。
ただ、そのまま みつめるには
まぶしすぎたのです。

こぎつねのぽて
めがねをかけよう
よく みるため ではなく、
やさしく みるため に。
すべてをはっきり させなくても いい。
ぼんやり していても、
だいじな ものはちゃんと のこる。
めがねの むこうで、
ぽてはすこし ほっと しています。じぶんの せかいを、
じぶんの きょりでみられる ように なったから。